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不動産売却時の固定資産税は誰が払う?日割り精算の計算方法と注意点

不動産売却

田中 哲二

筆者 田中 哲二

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不動産を年の途中で売却すると、「今年の固定資産税は誰が払うのか」「買主から何か月分を受け取れるのか」と疑問に思う方も多いでしょう。

結論からいうと、固定資産税の納税義務者は原則として、その年の1月1日現在の所有者です。 そのため年の途中で家や土地を売っても、自治体が売主と買主に自動で税額を分割して請求するわけではありません。

一方、不動産売買の実務では、売買契約で定めた基準に従って、固定資産税・都市計画税を売主と買主の間で日割り精算することがあります。本記事では、売却時に売主が確認しておきたい仕組みと計算方法を整理します。

この記事のポイント
  • 固定資産税は原則として毎年1月1日現在の所有者に課税される
  • 売却後も、その年度の納税通知書が売主へ届く場合がある
  • 買主負担分の日割り精算は、自治体の課税ではなく売買契約上の取り決め
  • 起算日や引渡日の扱いは契約内容によって確認が必要
  • 決済前に納税通知書と精算明細を確認すると金額トラブルを防ぎやすい

固定資産税は売却しても1月1日の所有者が納税する

固定資産税は、土地・家屋などの固定資産を所有している人に課される市町村税です。

重要なのは、「売却した日」ではなく、原則として毎年1月1日現在の所有者が納税義務者になるという点です。

例えば、1月1日時点では売主Aさんが所有しており、その住宅を同じ年の10月に買主Bさんへ引き渡したとします。この場合、その年度の固定資産税について自治体に対する納税義務者となるのは、原則としてAさんです。

重要

年の途中で所有権を移転しても、自治体が売主と買主へ税額を日割りして請求し直すわけではありません。

売買時に行う「固定資産税の日割り精算」は、納税義務者を変更する手続きではなく、売主・買主間で負担を調整するための契約上の精算です。

都市計画税もあわせて精算対象になることがある

市街化区域など一定の区域内にある土地・家屋には、固定資産税とあわせて都市計画税が課される場合があります。

そのため売買契約では、「固定資産税・都市計画税等」などとしてまとめて精算条件を定めるケースがあります。

なお、都市計画税が課税されるかどうかは物件所在地や土地・建物の条件によって異なります。納税通知書や課税明細書を確認しましょう。

売却時の日割り精算は「税金の再計算」ではない

固定資産税の日割り精算で最も誤解しやすい点は、買主が自治体へ税金を支払うのではなく、買主負担分に相当する金額を売主へ精算金として支払うという仕組みです。

不動産売買契約の確認イメージ

固定資産税の精算条件は売買契約書・精算明細で確認します。

1 自治体
1月1日時点の所有者である売主へ、その年度の固定資産税等を課税します。
2 売買契約
売主・買主で固定資産税等をどの基準日から分担するか定めます。
3 決済時
契約で定めた方法に基づいて、買主負担分を売主へ精算します。
4 納税
自治体への納付は納税義務者である売主が行う形が基本となります。
「所有権が買主へ移ったから、残りの固定資産税はもう払わなくてよい」とは限りません。

納税通知書の名義人と、売買契約上の負担者は別の考え方です。未納のままにせず、決済時の精算内容と実際の納付状況をそれぞれ確認してください。

固定資産税の日割り精算はどう計算する?

基本的な考え方はシンプルです。

年間の固定資産税等 ÷ 365日 × 買主負担日数

ただし、実際には「何月何日を起算日とするか」「引渡日をどちらの負担に含めるか」など、売買契約書の定めに従って計算します。

モデルケース:10月1日に引き渡す場合

以下は仕組みを理解するための単純化したモデルケースです。

年間の固定資産税・都市計画税 180,000円
精算期間 1月1日~12月31日として計算する契約例
引渡日 10月1日
買主負担期間 10月1日~12月31日
買主負担日数 92日

この条件なら、計算イメージは次のとおりです。

180,000円 ÷ 365日 × 92日 ≒ 45,370円

つまり、この例では約45,370円を買主負担分として精算する考え方になります。

ただし、これはあくまで一例です。契約上の起算日や引渡日の扱いによって日数は変わりますので、実際の精算額は売買契約書と決済明細で確認してください。

起算日は必ず売買契約書で確認する

固定資産税の精算で意外に重要なのが「起算日」です。

自治体への固定資産税の納税義務を判定する基準日は1月1日ですが、売主・買主間で精算する期間の起算日まで必ず1月1日になるとは限りません。

国土交通省が公開している不動産売買契約書の参考例にも、公租公課の精算条件や起算日を契約で定める条項例があります。

確認する項目 なぜ必要か
固定資産税等の起算日 売主・買主の負担日数を決める基準になるため
引渡日の負担者 1日分の計算差を防ぐため
年間税額 日割り計算の基礎になるため
都市計画税の有無 固定資産税だけで計算すると不足する可能性があるため
未納税額の有無 決済後のトラブルを避けるため

まだ今年の納税通知書が届いていない場合は?

売買時期によっては、その年度の固定資産税額が確定した納税通知書がまだ手元にないことがあります。

この場合に前年の税額を参考にするのか、当年度額の確定後に再精算するのかなどは、取引条件によって異なります。

前年と今年の税額が必ず同じとは限りません。

評価替え、土地・建物の状況、各種特例の適用状況などにより税額が変わる可能性があります。「昨年と同額だろう」と推測だけで決済金額を確定しないことが大切です。

売却を進める際は、納税通知書・課税明細書など現在確認できる資料を不動産会社へ共有し、契約条件に沿った精算方法を確認しましょう。

売主が決済前に準備しておきたいもの

固定資産税等の精算をスムーズにするため、売主は次の資料を確認しておくと安心です。

  • 固定資産税・都市計画税の納税通知書
  • 課税明細書
  • すでに納付したことが分かる資料
  • 売買契約書の公租公課精算条項
  • 決済時の固定資産税等精算明細

特に複数の土地・建物を一括して売却する場合は、納税通知書に複数物件が掲載されていることもあります。売却対象部分の税額を正しく特定できるか確認しておく必要があります。

固定資産税の精算額は「売却手取り」にも影響する

固定資産税の精算金は、売買代金そのものとは別に決済時の入出金へ反映されることがあります。

そのため売却後に実際に手元へ残るお金を把握したい場合は、売買価格だけを見るのではなく、仲介手数料、登記関係費用、住宅ローン残債、各種精算金などもまとめて確認することが大切です。

売却価格3,000万円 = 手元に3,000万円残る、ではありません。

不動産売却では、売却代金から諸費用やローン返済などを差し引く一方、固定資産税等の精算金などが決済時に加算されることもあります。売却前に「最終手取り」を整理しておくと、その後の住み替えや資金計画を立てやすくなります。

売却前に「いくらで売れそうか」と「いくら手元に残りそうか」を確認しておくと、決済時の資金計画が立てやすくなります。

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固定資産税の精算でトラブルを防ぐ5つの確認ポイント

契約・決済の直前になって「思っていた金額と違う」とならないよう、次の5点を確認しておきましょう。

  1. 納税義務者:その年の1月1日時点で誰が所有者だったか
  2. 年間税額:固定資産税と都市計画税を確認
  3. 起算日:契約上、いつから1年を計算するのか
  4. 引渡日:その日の負担を売主・買主のどちらにするか
  5. 精算方法:決済日に誰から誰へ、いくら支払うのか

この5つが整理されていれば、多くの計算上の疑問は解消しやすくなります。

固定資産税の精算は売買契約・決済とセットで確認する

固定資産税だけを単独で考えるより、売買契約から決済・引渡しまでの流れの中で確認する方が分かりやすくなります。

FAQ|不動産売却と固定資産税の精算

Q. 6月に家を売ったら、7月以降の固定資産税は払わなくてよいですか?

自治体への納税義務は原則として1月1日現在の所有者にあります。そのため年途中に売却しても、納税通知書の名義人である売主が納付する形になるのが基本です。買主負担分については売買契約に基づいて精算することがあります。

Q. 固定資産税の日割り精算は法律で義務付けられていますか?

自治体が売主・買主間の日割り精算を行う制度ではありません。不動産売買では契約上の取り決めとして精算することがあり、具体的な負担方法は売買契約書で確認します。

Q. 固定資産税だけでなく都市計画税も精算しますか?

都市計画税が課税されている物件では、固定資産税とあわせて精算対象とする契約があります。物件ごとの課税状況と契約内容を確認してください。

Q. 納税通知書をなくしてしまった場合はどうすればよいですか?

税額確認に必要な書類について、物件所在地の自治体へ確認してください。不動産会社へ売却相談中であれば、決済に必要な資料について担当者へ早めに相談するとスムーズです。

Q. 固定資産税の精算金に税務上の扱いはありますか?

売主の属性や物件用途、取引条件などによって税務上の扱いを個別に検討する必要があります。具体的な申告・税務判断については税理士または所轄税務署へ確認してください。

まとめ|売却前に「税額・起算日・引渡日」を確認しよう

不動産を年の途中で売却しても、固定資産税の納税義務が売却日を境に自動で買主へ切り替わるわけではありません。

原則として、その年の1月1日現在の所有者が自治体に対する納税義務者となり、売主・買主間では売買契約に基づいて固定資産税・都市計画税の負担を日割り精算する形になります。

売却時には、年間税額・精算の起算日・引渡日・買主負担額を決済前に確認しておくことが重要です。

固定資産税だけでなく、住宅ローン残債や仲介手数料などを含めた最終的な手取り額を整理したい場合は、売却査定とあわせて資金計画を確認すると判断しやすくなります。

売却価格だけでなく、決済後の手取りまで確認してから売却を判断したい方へ。

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不動産売却について相談する
主な確認資料
  • 福岡市「市税に関する案内」固定資産税の納税義務者
  • 国土交通省「土地の保有に係る税制」
  • 国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」
  • 国土交通省公開の不動産売買契約書参考例「公租公課等の精算」

※制度・公的情報は2026年9月時点で確認しています。

免責事項:本記事に掲載されている不動産相場、税制、金利などの情報は、記事執筆時点の公的データおよび当社独自の実務知見に基づくものであり、将来の価格や動向を完全に保証するものではありません。情報の正確性には万全を期しておりますが、本記事の情報を利用したことによって生じた一切の損害について、株式会社リブレステートは責任を負いかねます。実際の不動産売却・相続・購入等のご決断に際しては、必ず最新情報を確認の上、ご自身の判断と責任で行ってください。

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